暑くて走れない夏に「あえて距離を踏む理由」と対策
夏が来るたびに、誰もが一度はこう思うはずです。
「なんでこんなクソ暑い季節に、わざわざ走っているんだろう」と。
気温が35度を超えた昼下がり、ただ立っているだけで汗が噴き出すような日でも、私たちランナーには走る理由があります。なぜなら、この過酷な時期にどれだけ練習を積み上げられたかで、秋のフルマラソンの結果が100%決まると分かっているからです。
夏場のトレーニングはタイムも上がらないし、しんどい割にスピード感もなくて達成感が薄いかもしれません。しかし、ここで地道に作った土台が、秋に涼しくなったとき、あなたの走りを別次元へと変えてくれます。
今回は、秋のレースで目標を達成するために、私が実践している「夏のランニングを乗り切るリアルな生存戦略」をまとめました。
1. なぜ夏に「スピード」ではなく「距離」を踏むのか?
ネットやSNSを見ていると、「夏は暑いから距離を減らし、短い距離のスピード練習に特化すべきだ」という意見をよく目にします。
もちろん、夏場にしかできないキレを作るスピード練習も大切です。しかし、私の考えは違います。夏こそ、しっかり距離(私の場合は月間400km前後が目安です)を踏んで、秋のレースに向けた「スタミナの土台(ベース)」を作ることが最優先です。
フルマラソンは42.195kmという壮大な距離を走る競技。秋のレースが近づいてから急に走行距離を増やそうとしても、疲労が抜けきらず、怪我のリスクが跳ね上がるだけです。夏場にロング走や月間走行距離を落としすぎた状態で秋を迎えると、マラソン特有のタフな練習に体が対応できず、結局走力は伸び悩みます。
暑い日にロング走なんて、誰だってやりたくありません。私も大嫌いです(笑)。
でも、大会からまだ時間がある「今」だからこそ、地道なジョグやロング走で揺るぎない土台を作っておく必要があると考えます。
2. 暑さを避けて距離を稼ぐ「3つのトレーニング戦略」
過酷な夏に安全に、かつ確実に距離を稼ぐために、私が実践している3つのアプローチです。

① 時間帯を選ぶ(私は完全な「夜ラン派」)
1日の中で気温は激しく変動します。基本はとにかく気温の低い時間帯を狙うこと。
データだけで言えば「早朝」が最も涼しいのですが、朝が苦手で起きられないという方も多いはず。安心してください、私も完全に夜ラン派です。直射日光がない分、日中とは雲泥の差です。
ただし、夏場の夜ランを舐めてはいけません。夜でも暑いものは暑いです。
私の場合、冬場はキロ4分30秒〜4分45秒でジョグをすることが多いですが、夏場はキロ5分以上かかることもザラにあります。体感としては、夏のキロ5分は冬のキロ4分〜4分15秒に匹敵する負荷の感覚です。
夏場にペースが上がらないのは当たり前。「タイムは落ちて当然」と割り切り、心肺への刺激と走行距離を確保することだけに集中しています。
② 場所を選ぶ(日中は「トレイル」や「公園の周回」)
もし日中に走らざるを得ない場合は、場所選びが命命になります。直射日光を遮る木陰がある公園やトレイルは、体感温度が全く違います。
※ただし、夏のトレイルは虫が大量発生するので苦手な方は要注意です!
おすすめは、水道のある周回コース。1周ごとに頭や腕に水をかけて強制的にアイシング(外部冷却)ができますし、万が一、熱中症の兆候が出てもすぐに練習を切り上げられる安心感があります。
③「2部練」を活用して総距離をキープする
気温35度を超えると、ペースを落としたジョグであっても体への負荷は冬場のインターバル並みになります。1回で長い距離を走ろうとすると、後半に熱中症のリスクが高まり、練習の質も落ちてしまいます。
そこで有効なのが「練習の分割(2部練)」です。朝と夜、あるいは夕方と夜などに分けて走ることで、1回あたりの身体的・精神的負荷を抑えながら、1日の総走行距離をしっかりと確保することができます。
3. パフォーマンスを落とさないための「補給・冷却の工夫」
夏のランニングは、事前の準備と戦略的な補給がすべてです。水分・塩分の補給はもちろん、「体温をいかに上げないか」にこだわっています。
• マイボトル+コース上の自販機・水道を網羅する
夏場はボトルにスポーツドリンクを携帯して走りますが、それだけでは到底足りません。私はあらかじめコース上にある自販機や公園の水道の位置をすべて頭に入れています。「次の自販機まであと◯km」と分かっているだけで、精神的なゆとりが変わります。
• ロングランの中間地点で「コーラ」を投入する
地獄のような暑さの中、すでに15kmほど走ってカラカラになった身体への最高のご褒美が「コカ・コーラ」です。コーラに含まれる糖分(急速なエネルギー補給)とカフェイン(覚醒・集中力向上)のおかげで、後半戦に向けてガツンと力が出る感覚があります。
……まあ、そう言いながらも、最後まで持たずに後半撃沈してしまうことも多々あるのですが(笑)、過酷なロングランの強力なモチベーション維持になっています。
• アイスで「内臓から冷やす」
35度以上の酷暑の中をどうしても走らなければいけない時、休憩時に「ガリガリ君」などの氷系アイスを摂取するのも非常におすすめです。動かなくなった身体を、内臓から一気に強制冷却(アイススラリー効果)することができ、驚くほど体力が回復します。
※ただし、お腹が弱い人は下痢のリスクがあるので注意してくださいね!
まとめ:夏の努力は、秋に必ず報われる
暑い時期のトレーニングは、お世辞抜きで本当にしんどいです。走っても走ってもタイムは出ないし、モチベーションが下がりそうになることもあると思います。
しかし、この夏に泥臭く流した汗の量は、秋のレースの後半30km以降の「粘り」として必ず帰ってきます。
決して無理をして熱中症になっては元も子もありませんが、工夫次第で距離は踏めます。賢く対策を立て、しっかりとに走り込み、涼しくなった季節に最高のスタートダッシュが切れる体を一緒に作っていきましょう!
