サブ3を達成したとき、正直なところ少しだけ満足していました。
でも、タイムを眺めながらふと思ったのです。
「次の10分を、どこで削ればいいのだろう?」
サブエガ(2時間50分切り)。キロ4分を42.195km刻み続ける世界。同じ練習を、同じフォームで続けながら、その壁を越えられる気がまったくしませんでした。
「このままでは、もう速くなれないかもしれない」
41歳。ランニング歴を重ね、確かに走力は伸びてきました。それでも、キロ4分のペース走を繰り返すたびに、どうしても拭えない感覚がありました。
「楽に走れていない。」
苦しい、というのとは少し違います。どこかぎこちない、無駄な力みがある、スピードを出しているのに乗れていない。そういう感覚です。
「何かを変えなければ、この先には進めない。」
そう直感したとき、私が決断したのは「接地を変える」ことでした。
ミッドフットからフォアへ。
それまでの私はミッドフット(中足部接地)。ピッチで稼ぐタイプで、「自分が走りやすければそれでいい」と思い続けてきました。実際、そのスタイルでサブ3も達成できました。
しかし、フォアフット(前足部接地)に意識を移した瞬間、何かが変わりました。
地面からの反発が、ダイレクトに伝わってきたのです。
「頑張って脚を回していた」感覚が、「反発を推進力に変えている」感覚へ。余計な力みを手放したのに、自然とスピードに乗れる。これが私にとっての「正解」でした。
最強の相棒との、突然の別れ
走り方が変われば、シューズに求めるものも変わります。
それまでの相棒は adidas アディオスプロ3。初サブ3を一緒に掴み取った、かけがえないシューズでした。適度な硬さ、ミッドで着いたときのコロンと転がるような安定感。他には代えがたいものがありました。
しかし、フォアフットに変えた途端その相性は崩れてしまいました。
「転がり」が活かせない。反発ポイントと接地ポイントがケンカしている。「硬い板を地面に叩きつけているだけ」のような感覚。
道具は何も変わっていません。変わったのは、自分の走り方でした。
シューズは、走り方と一緒に選び直さなければいけない。
そう確信した瞬間、私は新しい相棒を探し始めました。
ヴェイパーフライ4との出会い!決め手は「セール」でした
次に選んだのは NIKE ヴェイパーフライ4 です。
初代が発売された頃からずっと憧れていました。でも、価格と「履きこなせる気がしない」という不安で、ずっと手が出ませんでした。
転機は、スポーツデポのセールです。
3人の子どもを持つパパランナーとして、性能と同じくらい価格も重要なスペックです(笑)。
アルファフライ3も候補に挙がりましたが、コスパという現実的な理由が最後の背中を押してくれました。
手にした瞬間の第一印象は「とにかく軽い!」
これなら脚が自然に回ってくれそうだ、という予感がありました。
いざ実践投入!
15kmペース走、設定はキロ4分。
走り出してすぐ確信に変わり、答えはすぐに出ました。
• 接地感:柔らかすぎず、沈み込みすぎない。「モチッ」とした心地よい弾力。
• 推進力:跳ねるのではなく、グイッと前へ押し出される感覚。
• スムーズさ:フォアで捉えると、脚が澱みなく回転していきます。
フォアフットと、ヴェイパーフライは、確かに「合っていました」。
失敗なしに、正解はたどり着けません
もちろん、移行は簡単ではありませんでした。
最初は母指球だけで極端に着地してしまい、ただ脚が疲れるだけでスピードも出ない日々が続きました。
そこから数ミリ単位の微調整を何度も繰り返し、やっと「今の私のフォア」にたどり着くことができました。
今の私にとって、ヴェイパーフライ4は最高の相棒です。
でも正直に申し上げるとまだこのシューズのポテンシャルを100%引き出せていないと感じています。シューズが持つ力に、自分の走りがまだ追いついていない。そのもどかしさが、次の練習への大きな燃料になっています。
「当たり前」を疑うことが、次のステージへの扉になります
シューズ選びも、接地も、フォームも。
一度決めたら終わりではありません。毎日のジョグの中で試行錯誤を続けること…その積み重ねだけが、サブエガへの道だと実感しています。
40代になっても、まだ速くなれます。
もしあなたが「最近タイムが伸び悩んでいる」と感じていらっしゃるなら、一度だけ立ち止まって考えてみてください。
接地、シューズ、フォーム、今「当たり前」だと思っているものの中にあなたの次のステージが隠れているかもしれません。
明日のジョグから、1歩だけ変えてみる。それだけで十分です。
【今回の使用ギア】
• シューズ:NIKE ヴェイパーフライ4
• 練習メニュー:15kmペース走(キロ4分設定)
次回は、ヴェイパーフライ4をさらに深掘りしたシューズレビューをお届けします。



コメント