「夏のポイント練習が走れない…」と悩む人へ。設定を落とすことが正解である私のロジック
「いざ走り出すと、全く走れない」と感じていませんか?
梅雨に入り、だんだんと気温と湿度が上がってきましたね。この時期になると、多くのランナーを悩ませる「あの問題」が発生します。
「今日のポイント練習、やるぞ!」と意気込んで走り出したものの、全く体が動かない。設定ペースまでどうしても上がらない。
……そんな経験はありませんか?
安心してください。私は今、めちゃくちゃそれを感じています。
私は完全な「夜ラン派」です。毎日、ハードな仕事を終えて疲労困憊の状態から練習が始まります。そこにこの暑さと湿気。正直、ただのジョグですらキツく、最初の1kmはキロ6分近くかかる日もザラにあります。
そんな過酷なコンディションの中、無理に高強度のインターバルやLT走を詰め込んでも、設定通りにこなせないことが増えていました。なんとか根性でこなしたとしても、翌日には凄まじい疲労が残り、リカバリージョグすら満足にできず完全休養に追い込まれることも……。
「果たして、無理をして単発の高強度練習をするよりも、少し強度を落とした【中強度走】を頻度高く入れる方が、今の時期は効果的なのではないか?」
そう考え、最近の練習メニューをアップデートしてみました。
過去の「自己ベスト」が教えてくれた、夏トレの正解
実は、私には一つの成功体験があります。
2025年の北九州マラソンで自己ベスト(2時間53分)を叩き出したとき、その前年の夏場にやっていたのが、まさにこの「中強度走」中心のメニューでした。
当時は「中強度走をやろう」と狙っていたわけではありません。単に夏の暑さが厳しすぎて高強度トレーニングができず、結果的に中強度になってしまっていただけでした。しかし、今振り返ると、「高強度ができなかったこと」こそが、秋以降の飛躍のベースを作っていたのです。
1週間単位のトータル負荷(TSSや走行距離)で考えてみましょう。
• 高強度を入れるパターン
1回の高強度で燃え尽き、疲労でその後の数日間は低強度やリカバリージョグしかできなくなる。結果、週全体の走行距離や負荷は下がってしまう。
• 中強度を増やすパターン
1回のダメージが少ないため、中強度の頻度を増やすことができる。結果、1週間単位での「適切な負荷」と「走行距離」をどちらも高い水準でキープできる。
特にこの夏場(マラソンシーズンオフ〜基礎構築期)においては、一発の爆発力よりも、継続してボリュームを稼ぐ方がトレーニング効果が高いと確信しています。
具体的なメニューと、スピードを落とさないための工夫
「じゃあ、夏はスピード練習を全くしないのか?」というと、決してそうではありません。レースペースより速い刺激を身体に入れることも、絶対に必要です。
ただ、それを「毎週〇曜日に必ずやる」と義務化するのをやめました。「身体の状態に合わせて、こなせそうなタイミングで入れる」くらいの手放し感で向き合っています。
その代わり、スピードを忘れないために徹底しているのが「流し(ウインドスプリント)」をしっかり入れることです。中強度走やジョグの後に、短い距離でトップスピードに近い刺激を入れておくことで、心肺や筋肉にキレを維持させています。
最近の手応え:19km中強度走(ave 4分22秒)

私の今の目標は「サブエガ(2時間50分切り)」。逆算すると、本来ならLT走(閾値走)は3分50秒〜55秒ペースでやりたいところです。
しかし、気温25度を超える中での3分50秒は、今の私には過酷すぎます。設定を4分00秒に落として15kmにしたとしても、後半失速してしまえば、残るのは過度な疲労だけでトレーニング効果は低くなってしまいます。
そこで先日、「4分22秒ペースで19km」の中強度走をやってみました。
結果、練習強度と疲労のバランスが完璧で、「しっかり足作りの負荷をかけつつ、翌日に疲労を引きずりすぎない」という最高の手応えを得られました。
まとめ:正解がないからこそ、アップデートし続ける
「早く走力を上げたい」と思えば思うほど、きつい高強度練習にすがりたくなるものです。しかし、それが「今の自分(環境・疲労度)」にとって最適解かどうかは別問題。
マラソントレーニングの方法論に、絶対的な正解はありません。だからこそ、自分の身体の声を聞き、過去のデータと照らし合わせながら、柔軟にメニューをアップデートしていくこと。これこそが、市民ランナーが強くなるための醍醐味ではないでしょうか。
みなさんも、この梅雨・夏シーズンは「無理な高強度」を一旦手放し、「持続可能な中強度」に目を向けてみませんか?
